TAC取手グリーンスポーツセンター

スタッフブログ

2025-10-04:中秋の名月と睡眠の話

「おじいさま、おばあさま、今まで長い間お世話になりました」

 

8月15日の満月の夜*、武士たちが警備する翁(おきな)の屋敷に、姫を迎える月の天人たちの一行が雲に乗って訪れます。月の天人は、守りを固めていた者たちを未知の力で眠らせます。そして、姫の正気を失わせ、その体を雲の上に招きよせます。その刹那、正気を取り戻した姫は、羽衣をまとうことに今一刻の猶予を与えてもらえるように月の天人に頼みます。月の天人はそれを黙認し、姫は翁と媼(おうな)に泣きながら別れを告げます。

 

月の天人の女官が、姫のすきを見て羽衣を着せかけ、姫は一行とともに去って行きます。去りながら、突然気づいたように地球を振り向いた姫は、地球での生活の記憶を失ったはずであるにもかかわらず、目に涙を浮かべます。

 

中秋の名月

 

皆さん、こんにちは。健康相談室の永松です。最近、秋の気配を感じ、朝晩涼しくなってゆっくり眠れるようになってきた、という方も多いのではないでしょうか。睡眠時間は季節によって変動し、夏季に比べて冬季に10分~40分程度、睡眠時間が長くなるというデータがあります。日長時間(日の出から日の入りまでの時間)が短くなることが、主な原因と考えられます。加えて、夏季の高温・多湿な寝室環境から解放されることも一因と考えられます。運動・栄養・休養は、健康な生活を送るためにはどれも欠かせません。今回は、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(厚生労働省)で推奨されている、年齢別のよく眠るための秘訣をご紹介します。

 

<高齢者>

☆寝床にいる時間は、8時間以内を目安にしましょう

☆日常の食生活や運動、寝室の睡眠環境などを見直して、睡眠休養感を高めましょう

☆長い昼寝は夜間の良眠を妨げるので、日中は長時間の昼寝は避け、活動的に過ごしましょう

 

<成人>

☆睡眠時間は6時間以上を目安として、必要な睡眠時間を確保しましょう

☆日常の食生活や運動、寝室の睡眠環境などを見直して、睡眠休養感を高めましょう

☆睡眠の不調・睡眠休養感の低下を感じる時は病気が潜んでいることもあるので、注意が必要です

 

<こども>

☆小学生は912時間、中学・高校生は810時間を参考に睡眠時間を確保しましょう

☆朝は太陽の光を浴びて朝食をしっかり摂り、日中は運動をして夜更かしはほどほどにしましょう

 

「現存する日本最古の物語」とされる竹取物語では、かぐや姫に想いをよせる帝の軍勢が翁の屋敷の守りを固めますが、月の天人の不思議な力で眠らされてしまいます。ゆっくり眠ることが難しくなっている現代ですが、眠りを見直して健康に過ごしましょう!

 

*旧暦では7月から9月を秋とし、その真ん中である815日を「中秋」と呼びました。この季節の月は特に美しく、「中秋の名月」と呼ばれ、お月見の習慣が生まれました。旧暦は月の満ち欠けで日付を決めるため、旧暦815日と新暦の月日の数え方は毎年異なります。新暦では「中秋の名月」は、9月か10月のいづれかの日にあたります。

 

参考資料

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